韓国ＮＯ．１の検索サイト「NAVER」がこの3月に大きな改正を2つ実施しました。
ひとつは、芸能ニュースのコメント欄廃止。
ふたつめは、コメント履歴の公開。
とても意味のある処置だと思うので、このブログで紹介しようと思います。
これまでも韓国で「悪質コメント」が社会問題になっていました。
常に誰かしら芸能人が、悪質なコメント（誹謗中傷やデマ）を書き込んだ人を訴えてた。
もともと問題視されてはいましたが、ソルリとハラちゃんの自殺が大きな流れを生み出したのかな、と個人的には思っています。
ふたつの改正とその効果について、韓国のニュース記事を引用しながら、①～③に分けて書いてみます。
①芸能ニュースのコメント欄廃止
②ユーザーのコメント履歴の公開
③その効果
①芸能ニュースのコメント欄廃止
まずは芸能ニュースのコメント欄廃止（正確には「中止」）についてのニュース記事を紹介します。
“故설리 비극 다신 없도록”…카카오 이어 네이버도 ‘연예뉴스 댓글’ 중단
“故ソルリの悲劇が二度とないように”…カカオに続きネイバーも’芸能ニュースコメント’中断（2020年2月28日）
内容を要約すると…
- ネイバーが、2020年3月5日から芸能ニュースのコメント欄を廃止した
- 2019年にソルリ、ク・ハラがこの世を去りネイバーにも芸能ニュースのコメントを廃止するように求める声が上がった
- 表現の自由と人権保護のはざまで悩んだネイバーは決断を下した
- ネイバーは芸能ニュースのコメントを暫定的に廃止し、人物名に関する関連検索語サービスを中断すると発表
- 芸能人個人に対する人権侵害の問題について、これ以上見過ごすことはできないという判断だった
- 「現在の技術力の努力だけでは、芸能人たちの苦痛を解消するにはまだ足りないことを認める。芸能情報サービスの具体的な改変が完了するまで、芸能ニュースのコメント欄は閉鎖することに決めた」とネイバー側がコメント
- 3月5日から芸能記事のコメントサービスと、人物の関連検索語がネイバーから消える
記事をちゃんと読んでみると、芸能ニュースのコメント欄は「完全に廃止」でなく、「暫定的に廃止」つまり「中断」ということのようです。
今後どうなるのかは分からないけど、とりあえずコメント欄をなくしたことは大きな一歩ではないでしょうか。
実は私は①と②のネイバーの改正を知らず、何となく芸能ニュースを見ていた時にコメント欄がなくなっていることに気づきました。
それで調べてみて、改訂を知ったわけです。
日本のヤフーを見ていても、コメント欄までついつい読んじゃう。
韓国ネイバーもコメント欄をチェックしていました。
絶対に書き込みはしないけど、ついつい読んじゃう。
私みたいな人も、実は加害者なんですよね、きっと。
人物の関連検索語が表示される機能も、確認してみたらなくなってました。
これまで例えばネイバーで「〇〇」と芸能人の名前を検索すると、
〇〇 彼氏
〇〇 水着写真
とその芸能人の関連検索語が表示されていたのですが、それが一切なくなりました。
芸能人の人権保護ですね。
プライベートの水着写真とか、過去の恋愛スキャンダルとか全部関連語で出てくるなんて、可哀そうすぎる。
②ユーザーのコメント履歴の公開
ネイバーユーザーのコメント履歴の公開処置についても、ネットニュースを紹介します。
네이버, 내일부터 뉴스 댓글 이력 전면 공개
ネイバー, 明日からニュースのコメント履歴を全面公開（2020年3月18日）
こちらも要約すると…
- ネイバーが悪質なコメントを防ぐために、3月19日から、ユーザーがニュース記事に書いたコメントを公開する
- 明日19日から、コメントを書いたユーザーがこれまで作成したすべてのコメントリストを公開する仕様に変更することを発表した
- これまでは、本人が書いたコメントをほかのユーザーに公開するかどうか選択ができていたが、3月19日からは本人の意思と関係なくすべてが公開される
- 削除したコメントを見ることはできないが、すべてのコメント内容、コメント数、もらった「共感」の数が集計される
- また、直近30日間にもらった「共感」の比率と、本人が削除したコメントの比率が表示される
実際に、2020年3月28日に韓国ネイバーのニュース記事についたコメントはこんな感じ。
【2020年3月28日のコロナウイルス関連ニュース記事[速報]自宅待機を無視しチェジュを離れた接触者 摘発より ※青モザイクは私が処理】
コメント欄からユーザー名（上の写真では青モザイクの部分）をクリックすると、そのユーザーが書き込んだコメントの一覧が表示されます。
↓↓ユーザー名をクリックすると、画面左にそのユーザーのコメント履歴が出てくる
履歴をズームするとこんな感じ。
大事な箇所だけ黄色背景で和訳を追加してみました。
このユーザーがどんな記事に、なんと書き込んだのか、全部見れる。
書き込んだコメントが「共感」を押してもらった比率も見れるし、書き込んだユーザーが自分で消したコメントの比率まで表示されます。
ここまでしたら、いくらユーザー名を使った匿名だからといっても、ひどいこと書き込もうとする人にとっては抑止力になりますよね。
③その効果
①の芸能ニュースのコメント欄廃止は3月5日から、②のコメント履歴公開は3月19日からスタートしたところなので、まだあまり時間はたっていません。
②の改正の3月19日から、ちょうど1週間後にあたる3月26日付で、こんな記事がありました。
네이버 댓글 이력 공개 일주일 성과는…
ネイバーコメント履歴公開 1週間の成果は…
こちらも要約すると…
- 3月25日のネイバーデータラップ統計によると、ネイバーがコメント作成者の履歴を公開すると発表した3月18日から24日までの7日間、すべてのニュース分野においてコメント数が計311万1404件となった。その前週に比べ60万件が減り、3週前（2月26日～3月3日）に作成された
- コメントの数が約581万件であったことと比べると、およそ半分まで減っていることになる
- 業界関係者は「コメント履歴の公開が発表された途端、ユーザーたちが以前に書き込んだコメントを削除し本人の削除が増えたと思われる。ユーザーが自ら削除するほどのコメントは書き込まない方向へ、自浄作用が働くだろう」としている
- 現在、コメントが悪性であるかどうかをリアルタイムで判断し、非表示にするAI「クリーンボット」が、悪性コメントを続けて書き込むユーザーを見つけることが可能になる予定だ
改正によってコメント数自体が減ってるんですね。
そりゃそうですよね。だって芸能ニュースはコメント欄を廃止したわけですし。単純に考えて、芸能ニュースのコメント投稿数がゼロになる。
コメントの書き込んだ内容など、履歴が細かく表示されるので、ひどいことを書き込もうと思っても、一度立ち止まって考えなおす人は多いはず。
引用した記事にもあるように、「抑止力」「自浄作用」がはたらくんだろうなぁと思います。
上の引用では省略してしまったのですが、広告掲載費用が大きな収入源となるネイバーにとって２つの措置は苦渋の決断だったそうです。
コメントを書き込んだり、読むことによってプレビュー数や滞在時間が増えるので、それをなくすと収入減少につながるとの見立てだそう。
私はこの2つの処置は英断だと思います。
芸能ニュースのコメント欄は今後も廃止でいいし、コメント書き込みの履歴もずっと公開してればいいと思う。
日本のヤフコメもいろいろひどいですよね。
元ＡＫＢの川崎希が訴訟を起こそうとしてたように、軽い悪意で他人を永遠に傷つけ続けることができる、それがネットの書き込み。
日本のヤフーとかも同じ対応したほうがいいんじゃないかと、個人的な意見ですが私はそう思います。
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