「韓国語じゃなくてロシア語!?」と思わるかもしれません。
ロシア語で合ってます。
ロシア文学者で作家の角圭子(すみ けいこ)さん。
2012年に亡くなっています。
私は今、この方についての興味でいっぱいです。
私が角圭子さんの存在を知ったのは、つい先月。2020年6月。
韓国語の翻訳コンクールに初挑戦するため、翻訳関連の本を図書館で借りて読んでいた時。
「文芸翻訳入門 言葉を紡ぎ直す人たち、世界を紡ぎ直す言葉たち」という本に出会いました。
この本には、「私の名前はキム・ジヨン」の訳者である斎藤真理子さんのショートエッセイ?が数点掲載されていました。
その中に朝鮮半島出身の活動家・鄭雨沢と結婚したものの、国際情勢に流されて別れざるを得なかったロシア語文学者・角圭子さんのことがちらっと書かれているんです。
「文芸翻訳入門」で斎藤真理子さんが角圭子さんについて書かれていたのはほんの少し。
なぜか私はとても角圭子さんに興味を持ち、いろいろと調べることになるのです。
2012年に91歳で亡くなられている。
大正に生まれ、昭和の時代に活躍された方。ネットを叩いても詳しい情報は出てこない。
ウィキペディアに載っている情報も薄い。
まずは『鄭雨沢の妻 「さよなら」も言えないで』という本を読むことにしました。
今はもうないサイマル出版会から、1996年に出版された本。
角圭子さんの著書の中では比較的新しい本です。
最寄りの図書館や、近隣の大きな市の図書館のデータベースで検索したけど蔵書にはヒットしませんでした。
ネットで検索すると、かろうじて購入できそうなものは中古本。
迷った挙句購入し、届いてから一気に読みました。
お嬢様育ちの角圭子と、朝鮮半島から密入国してきた鄭雨沢が出会ってから結婚するまでは、なんとも切なくドラマティックです。
川崎の朝鮮人村での潜伏生活は、映画「パッチギ!」よりもディープ。
鄭雨沢は在日朝鮮人の帰還運動を行っていたそうで、角圭子と別れて北朝鮮に戻ります。
そして後には粛清されたとか。
ここでは詳しく書きませんが、角圭子さんの自伝小説とされているこの『鄭雨沢の妻 「さよなら」も言えないで』。
どこまでがフィクションなのかは分からないけれど、おおよそ実体験だとしたら…
ドラマティックすぎる。濃すぎる。
その時代にはみんなそれぞれのドラマを抱えて生きていたのかもしれません。
にしてもこの夫妻は濃すぎる。
夫婦の離別の部分がかなりあっさりと書かれているので、そこの詳細が知りたいです。
今は図書館で借りた、茶色く色あせて古書の匂いがする『朝鮮の女』(サイマル出版会・1972年)を読み終えたところ。
もっともっと角圭子さんについての資料を探して読みたい。
もっと角圭子さんの人生について知りたい。
という、ここ十年ほどで一番の情熱と興味を持って、角圭子さんを追いかけています。
スポンサーリンク