韓国の2次創作物「ペンピク」について調べてみた vol.1 ライト編

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今回は私にとっても未知の世界です。

少し前になりますが、このブログにこんなコメントを頂きました。

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みぴちゃん様、ありがとうございます。

おっしゃっている小説は、おそらく韓国では「ペンピク」と呼ばれているものかと思います。

「ペンピク」という言葉や何となくの意味は知っていましたが…正直私はこれまであまり接点がなかった世界です。

詳しく知らないことをブログに書くのは良くないなぁと思い、この「ペンピク」について書くのは一度保留にしました。

ただ、私も深く調べたことがなかったのでコメントを頂いてから「ペンピク」がずーっと気になっていたんです。

今回は私もよく知らない「ペンピク」について、1から調べたことをブログに書いてみようと思います。

「ペンピクって何?」と私と同じ立ち位置の方は「へぇ~そうなんだ」ぐらいな感じでさらっと読んでください。

ペンピクに既にお詳しい方、訂正などありましたらどんどん教えてください。笑

1. 「ペンピク」とは?
2. 韓国留学中のペンピク
3. ペンピク=夢小説
4. 韓国の女子中高生が必ず通る道
5. 現在の韓国のペンピク
6. 次回 vol.2 裏編へ続く

1. 「ペンピク」とは?

まずは恒例のNAVER先生で、「팬 픽(ぺん ぴく)」について調べてみました。
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NAVER漫画アニメーション辞書「팬 픽(ぺんぴく)」より】

팬 픽(ぺん ぴく)

1. ファン(Fan)とフィクション(fiction)の合成語で、自身が好きな有名人や有名作品を主人公とした作品。
2. ファンがつくる2次創作物。漫画、小説、映画、ドラマなどジャンルに区別されず、大衆的な人気を得ている作品を対象にファンが自身の思うまま再創作をした作品。

팬(ぺん):ファン
픽(ぴくしょん):フィクション

日本式の発音だと「ふぁん・ふぃく」となりますが、韓国式に発音すると「ぺん・ぴく」となります。

「ファンがつくるフィクション」という意味で、略して「ぺんぴく」なんですね。

私が思いついたペンピクの具体例を3つ挙げてみます。

  • テニスの王子様ファンが、架空のヒロインとテニプリのキャラクターたちとの恋愛ストーリーを書く
  • BIGBANGファンが、G-DRAGONとスンリをカップリングさせたストーリーを書く
  • 花より男子ファンが、道明寺と花沢類をカップリングさせたストーリーを書く

これらすべてが「ペンピク」になります。

2. 韓国留学中のペンピク

「ペンピク」という言葉を私が知ったのは、韓国の大学の寮で出会った、ふたりの友人がきっかけです。

寮のルームメイトと、向かいの部屋の住人(ふたりとも韓国人)の影響です。

登場人物A:寮のルームメイト、神話やジャックスキスの大ファン
登場人物B:寮の向かいの部屋の住人、日本のジャニーズのファン

↓↓この神話の写真、すっごく見覚えがあるんです。おそらくAが寮の部屋にポスターを貼っていたか、アルバムを飾っていたかどちらかだと思います。
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AとBのふたりは、よくBL(ボーイズラブ)やペンピクの情報を交換しあっていました。

出会った当時は神話ファンだったAですが、2017年現在では日本語をマスターし、ジャニオタになりました。

しかも彼女は日本の2.5次元というジャンルにまで手を出している、根っからのオタです。いえ、ヲタです。笑

私はあまり興味がないと断言してきたので、深い話は聞いていませんが、AやBからペンピクやBLの情報がちょくちょく耳に入ってきていました。

2007年、2008年ごろ、AはよくMP3にペンピクのテキストファイルをダウンロードして、持ち歩いて読んでいました。

ふたりから聞いた情報ですが、ペンピクはほぼBL&18禁がメインだと思っていいとのことでした。

男性アイドルグループ内でメンバーをカップリングして、そのふたりを恋愛関係にさせて楽しむ…という世界だと教わりました。

時にそれは18禁の内容も含むそうです。

ここまでが私が韓国留学中に、学友から教わったペンピクの概要です。

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3. ペンピク=夢小説

ここまで書いていて思い出したのですが、私は高校生の時(十数年前)に一瞬ですが赤西仁にはまったことがあります。

ドラマ「ごくせん」に赤西仁と亀梨和也が出ていた時で、当時デビュー前のKAT-TUNはめちゃめちゃ人気がありました。

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その時「夢小説」みたいな名前で、赤西仁と読み手が恋愛をしているような小説があったり、赤西仁と亀梨和也をカップリングしたBL小説が乱立していたのを思い出しました。

この「夢小説(もしくはドリーム小説)」が韓国の「ペンピク」ですね。

当時はジャニーズの夢小説も、ペンピクと同じように18禁やBLモノで溢れていた記憶があります。

有名人を登場させ、自分の好きなストーリーを創るという意味では、

ペンピク=夢小説

ということで問題ないかと思います。

もしくは、漫画やアニメの世界で言うと日本の「同人誌」にあたるかと。

4. 韓国の女子中高生が必ず通る道

ここでひとつ、韓国のネットニュース記事を紹介したいと思います。

‘응답하라1997’ 그려낸 2030 빠순이들의 흑역사 ‘팬픽’ 실제 어땠나

’応答せよ1997′ が描いた2030 女性ファンたちの黒歴史’ペンピク’ 実際はどうだったのか

これは2012年に韓国で放送され大ヒットしたドラマ「応答せよ1997」関連のネットニュース記事です。

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↓↓ドラマ「応答せよ1997」関連記事
ドラマ 応答せよ1997 / 응답하라 1997 あらすじ&感想

ドラマ「応答せよ1997」OST All for you / ソ・イングク&チョン・ウンジ

 

ドラマ「応答せよ1997」でApinkのチョン・ウンジが演じたヒロインのシウォンは、HOTの大ファンの女子高生です。

勉強が全くできず、周囲からは「このままじゃまともな大学に行けないよ」と言われ続けている落ちこぼれです。

HOTが好きすぎてペンピクを書いているシウォン。

↓↓1996年にデビューした韓国の元祖アイドルグループHOT
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ある日先生にペンピクが見つかってしまい大焦りするのですが、先生はシウォンの文才を褒めてくれます。

そして先生の推薦で作文コンクールに挑戦し、賞を取った実績のおかげで大学に合格します。

ニュース記事のタイトルにある「2030」は韓国でよく使われる言葉なのですが、「20代30代」を指します。

記事は、20代30代の女性が学生時代に必ず一度は見たことがあるであろう「ペンピク」について、1990年代後半の実態をまとめています。

一部を簡単に要約してみます。

1990年代後半にHOTが登場すると、ペンピクというものが時代を席巻した。
女性の主人公ひとりを登場させ、メンバー全員から愛される存在を描いた小説、メンバー間での恋愛を描いた小説など、ジャンルは多様だった。
この当時ペンピクは「応答せよ1997」でヒロインのシウォンが書いていたように、特に18禁の内容が多く批判的な意見も多かった。

記事にある通り、韓国で「ペンピク」と言えば、18禁の際どい描写が連想されます。

ペンピクを楽しむHOTファンたちは、「ジュンタ(ムン・ヒジュン+カンタ)」、「トンヒョク(トニー+チャン・ウヒョク)」を代表とする多様なカップルを支持し、実際に付き合っているように扱ったりした。
ファンの間で最も上手に書かれているとされる作品5つは「5大小説」として必読図書のように指定されたりもした。

「ジュンタ」や「トンヒョク」など、メンバーの頭文字などを取ってカップルに名前を付けるのもペンピクの特徴ですね。

「必読図書」って…すごいですね。笑

私が寮で出会った友人A&Bが腐女子すぎたわけではないんですね。笑

韓国の20代30代女性が学生時代に一度は通った道…それがペンピクだそうです。

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5. 現在の韓国のペンピク

それでは、2017年現在のペンピクについて調べてみようと思います。

NAVERの検索窓に「ペンピク」と入力すると、検索候補がずらーっと出てきます。

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候補を上から5つピックアップし、簡単に訳してみます。

  • ばんたん ペンピク

  • ペンピク

  • 防弾少年団 ペンピク

  • ぐくぴ ペンピク

  • セブンティーン ペンピク

  • トゥワイス ペンピク

防弾少年団、セブンティーン、TWICEのペンピクを検索している人が多いようです。

上から3つ目の「ぐくぴ」は、防弾少年団のジョングク+Vのカップリングの名前だそうです。

↓↓防弾少年団に詳しくありませんが…これがぐくぴカップルだそう
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1990年代後半にHOTのデビューと共に誕生した、韓国のペンピク文化。

2017年現在も、ペンピクは健在のようです。

6. 次回 vol.2 裏編へ続く

今回「ペンピク」について調べていると、このブログでどう表現をしたらいいのか迷うようなきわどい内容がたくさん出てきました…苦笑

奥が深い世界なんですね。。。。

今回は「vol. 1 ライト編」としてここで終わらせようと思います。

次回は「vol. 2 裏編」として、ちょっとディープなところまで掘り下げてみようと思います。

BLなどに抵抗のある方は、次回記事はスルーしてください。

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コメント

  1. みぴ より:

    お忙しい中、調査ありがとうございました。
    今から30年も前に、これ程までに成熟した(苦笑)ペンピク世界が韓国の若者に広がり社会問題化していたとは驚きでした。
    もちろん日本でも、若者達はそれぞれの世代に応じた情報収集をして成長していくと思いますが、韓国は日本より急速にネット社会が拡がったからそこから情報を得ようとする動きが活発だったのでしょうね。
    ひと昔前にはベットの下に隠した物も、今は子供達の目から覆うことさえ出来ません。
    苦手な分野への探求、本当に感謝です。
    実はこういった小説を読んでる事に、少し罪悪感を感じていたのです。でも韓国内での現実を知って現役アイドル達も、小説の主人公になってナンボと諦めてくれるでしょう事を祈ってやみません。(多少言い訳ですが)
    ありがとうございました。ディープ世界もチョット楽しみです!

    • annie より:

      みぴさま

      こちらこそ、リクエスト&読んでいただいてありがとうございます。
      ペンピクの世界は奥が深いですね…私も大変勉強になりました。
      罪悪感を感じる必要はないと思いますよ~
      今回ペンピクについて調べる機会を頂き、とても成熟した文化だと感じました。

      時間があいてしまいましたが、裏編は本日3/26の夜8時に公開予定です。
      「裏編」を唄ったにもかかわらず、結果言葉をマイルドに変換しながら書いたので、ちょっと物足りないかもしれません…苦笑
      裏編もお時間があるとき読んでみてもらえると幸いです^^